脳の中の絵本

疲れて動けなくなったときの症状記録。脳内妄想日記。

精神科入院 - インフラ整備

今日もベンゾジアゼピン切れによる全身倦怠感と戦うために、ヒィヒィ言いながらひたすら院内敷地を歩いている。

現状、改善策として実行できる事がこれくらいしかないのである。もっと何か、チートツールのようなもので一気に回復させたいのだけれど。

おそらく散歩くらい楽々こなせるようにならないと次の治療ステップに移れないのではないか、とも思う。現状体力が最大のボトルネックになっている気がする。

健全な精神は健全な身体に〜はあまりに子供の頃から聞き飽きている標語で、せいぜいハガレンエルリック兄弟が組手をしてるシーンで言ってたなあくらいの意識だったが、病歴も長くなると色々な患者を見聞きするので、事ある度に思い返すことが多くなった。

ある人は股関節の人工関節置換術の後寝たきりになり、その後癌で亡くなったらしい。

ある人は寝たきりの状態で降圧剤の投与を受けていた為に噴門部からの逆流や誤嚥に苦しんでいたらしい。

(一般的な降圧剤は血管壁の平滑筋を緩めて血管を拡張させることで血圧降下作用を発揮するらしく、副作用として噴門部平滑筋の弛緩による胃内容物の逆流を招いてしまうとのこと)

自分と同じ病棟の他の精神疾患患者も、一様に目に生気が無く、足を引きずるように歩いている人が多い。

総合病院の為循環器科や外科も扱っており、ホールには車椅子, 松葉杖, その他身体障害と思われる患者も老若男女問わずひしめいている。要介助者も多い。

また小説『白い巨塔』では、消化器癌による摂食障害で全身状態が悪くなっており、手術に耐えられるだけの体力が無い患者についての描写があった。

ダラダラ脈絡無く書いてしまったが、人間「よく食べよく動いてよく寝る」が自力でできなくなると一気に弱くなる、という当たり前のことを言いたかった。

消化器, 循環器, 運動器(骨・筋肉)は人体構成組織をITに例えるなら物理インフラにあたると思う。

脳やその他内臓含め全組織が重要であることは当然なのだが、上記3つは日常生活の中で注意を怠ると簡単にトラブルを起こしかねない点、また医療従事者でなくても日常的にメンテナンスが可能な点において、とても身近に感じられる組織だと思う。

中学〜高校くらいまでは「どうして自分はこんなに疲れやすいのか」を突き止めたくて必死に生物を勉強して、それこそTCA回路を始め各組織の化学反応を全て学べば、自身の疲れの原因を特定して効果的な栄養管理ができるのではないかといった荒唐無稽な夢を見ていた。

あまりに複雑で、そこらの高校生ごときが全能になれるほど簡単なシロモノではない(そんなに簡単なものなら医者はずっと少なくて済むだろう)ことに気づいて絶望したのは、その後大学に入って図書館に行き分厚い資料の山に圧倒されてからだった。

ITシロウトがCPUアーキテクチャやkernelに手を出すようなものだった(喩えが適切かどうかは自信が無い)。

サーバルームで非IT系の人でも(額に汗かき頑張れば)できることといえば、注意深く埃を掃除し、ケーブル類の結線や破損チェック、エアコン管理、機器センサ情報を監視システムで収集して正常性監視、である。

話を自分の病状に戻すと、精神疾患ということで自然と考えが脳にばかりいってしまうが、脳を支えるインフラをまず整えることからじゃないか、ということである。血を流して酸素と栄養を送って老廃物の排出を促すことで自然回復力を底上げできれば何か希望が見えてくるんじゃなかろうか。

結論として、しばらくの間はとにかく沢山歩いていっぱい飯食ってよく寝て、起きたらいいウンコを出す。

そんなのを目指したい。